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遺言の効力

その遺言は有効か無効か、訴訟で争われる実際のケースを説明します。 _DSC0709-2.jpgのサムネール画像
 

1.自筆証書遺言の効力(有効・無効)が実際に問題となるケースとは?


「自筆証書遺言」とは、遺言をする人が紙に自分が遺言したい内容の全文を自ら書き、作成年月日や氏名を書いて押印することにより作成する遺言ですが、方式が整っていても、無効だと争われることが結構あります。

①「遺言偽造」すなわち「遺言者本人が書いたものではない」との主張される場合

②「遺言無能力」すなわち「遺言内容を理解できるだけの判断力がない」という主張をされる場合




①「遺言偽造」すなわち「遺言者本人が書いたものではない」との主張をした訴訟は結構多いと思います。偽造を主張して遺言の効力を争いたい場合、通常「遺言無効確認訴訟」を、提起します。

例)亡山田太郎作成の遺言が偽造無効を確認したい訴訟をする場合、訴状の請求の趣旨には、以下のとおり記載します。
  1. 亡山田太郎作成名義の平成○年○月○日付別紙記載内容の遺言は無効であることを確認する。
  2. 訴訟費用は被告の負担とする。
 
遺言無効確認訴訟で、遺言の偽造を主張する場合、遺言の筆跡鑑定をすることが一般的ですが、筆跡鑑定の科学的根拠が乏しいとして筆跡鑑定に重きを置かない裁判官もいます。

遺言者が作成した遺言書の内容が、諸般の事情からみて不自然というケース(例―息子と不仲でないのに全財産を知人に遺贈するという遺言など)であれば、偽造が疑われます。

要は裁判官が筆跡鑑定の結果だけで遺言が偽造かどうかを判断するわけではないということです。
遺言が偽造なのか2種類の訴訟で争われた事件で、筆跡鑑定の結果が全く異なったケースもあります。この点について有名な事件があります。
弁護士法人リーガル東京では、遺言無効確認訴訟を、原告のケース・被告のケースとも数多く扱っております。自筆証書遺言で偽造が争点とされた訴訟を何件も取り扱いましたが、全てのケースで筆跡鑑定をしたわけではなく、筆跡鑑定をしないで遺言が有効とされたケースがあります。

  • 偽造を主張して遺言を無効にしたいと考えている方
  • 遺言の偽造を主張されて遺言無効確認訴訟を起こされた
  • あるいは訴訟されそうだという方
弁護士法人リーガル東京03-3569-0321に、お気軽にご相談ください。経験豊富な弁護士が適切なアドバイスをいたします。
初回1時間無料にて、ご相談に応じます。



②「遺言無能力」すなわち「遺言内容を理解できるだけの判断力がない」という主張をして訴訟とするケースも多いです。75歳以上の高齢者だと認知症を患っている老人が多いので、重度の認知症だったから、遺言能力がないとして遺言無効を主張されるケースが少なくありません。
 遺言者が、遺言作成当時、重度の認知症である場合、遺言能力ないのではないかが疑われます。けれども重度の認知症イコール遺言無能力というわけではありません。遺言能力があるかどうかは、医学的判断でなく法律的判断だからです。

弁護士法人リーガル東京が扱った訴訟では、重度の認知症でも単純な内容の遺言で、その内容が不自然でない場合、遺言を有効とした判決を勝ち取っています。相続紛争解決事例№14 参照
遺言の内容が複雑かつ不自然である場合には、遺言を無効とした判決を勝ち取っています。
⇒ 相続紛争解決事例№12 参照
 遺言者が認知症だったので、遺言の無効を主張して争いたい方
 
  • 遺言者が認知症だったので、遺言無効を主張され困っている方
  • 遺言を作成しようと思うが、高齢なので将来遺言無効を主張されないか心配な方

弁護士法人リーガル東京03-3569-0321に、お気軽にご相談ください。経験豊富な弁護士が適切なアドバイスをいたします。
初回1時間無料にて、ご相談に応じます。

遺言能力なしとして遺言無効を主張したい方は、通常、原告として「遺言無効確認訴訟」を提起します。
山田太郎作成の遺言が遺言無能力だとして無効確認の訴訟をする場合、訴状の請求の趣旨には、以下のとおり記載します。
  1. 亡山田太郎作成に係る平成○年○月○日付別紙記載内容の遺言は無効であることを確認する。
  2. 訴訟費用は被告の負担とする。
 
遺言の無効を主張されている方の場合、通常は、無効を主張している人からの訴訟提起を待つようです。
けれども場合によっては、遺言の無効を主張されている方が、自ら訴訟を提起しなければならないケースがあります。
自筆証書遺言は、家庭裁判所で検認手続をすれば、通常は遺産である預貯金などの解約・払戻ができます。しかし遺言無効を主張する相続人が金融機関に遺言無効だから払戻に応じるなというと、金融機関が払戻を拒否することがあるのです。
このように他の相続人が妨害目的で遺言無効を主張し、自筆証書遺言に基づく相続手続ができないときは、「遺言有効確認訴訟」を提起するとか、払戻に応じない金融機関を被告として、遺言有効を前提とする「預金払戻請求訴訟」を提起することになります。



遺言を作成した年月日と違う年月日を記載したケース

自筆証書遺言には作成した年月日を記載する必要がありますが、遺言した人が、年月日を勘違いして記載したり、ワザと違う年月日を記載してしまい、訴訟になったケースがあります。
こういう場合、自筆証書遺言は無効か有効か、見解が対立しています。

この点について最高裁判例は「自筆証書遺言に記載された日付が、真実の日付と相違しても、その誤記であること及び真実の作成日が遺言証書の記載その他から容易に判明するときは、日付の誤りは遺言を無効としない」としていますが、実際には日付の相違がわかったら、有効な遺言とする証明は難しいでしょうね。

いずれにしても遺言を実際に作成した年月日と違う年月日を記載したケースで、遺言が無効とされた裁判例もいくつかありますので、注意しましょう。
  • 自筆証書遺言の作成日で問題がないか不安な方
  • 自筆証書遺言の作成日の無効を主張したいと考えている方
 
弁護士法人リーガル東京03-3569-0321に、お気軽にご相談ください。経験豊富な弁護士が適切なアドバイスをいたします。
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自筆証書遺言を作成するときに他の人に手を添えてもらったケース
高齢者が自筆証書遺言を作成するとき、筆圧がなくて自分1人では字が書けないので、手を添えて遺言を書くことが有り得ます。こういう場合「自署」といえるかが問題で、この点が争点となった裁判例があります。
この点について最高裁判例は、「他人の添え手による補助を受けてされた自筆証書遺言は原則として無効」としています。
  • 自筆証書遺言の作成時に、遺言者に添え手をして書いてしまったが、有効な遺言なのか心配という方
  • 自筆証書遺言作成時に、遺言者に他人が添え手をしたから遺言無効を主張したい方
 
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2、 公正証書遺言について訴訟で争点となることは



「公正証書遺言(遺言公正証書)」とは、証人2人の立会いの下、公証人の面前で、遺言の内容を口授し、それに基づいて公証人が遺言者の真意を文章にまとめ、遺言とするものです。
 公正証書遺言が無効となるケースは、従来ほとんどないと言われてきましたが、遺言能力などを否定され、無効とされるケースが出てきましたので、注意してください。


遺言無能力(遺言能力がないこと)を主張のケース
公正証書遺言は、公証人や証人が関与して作成されるものですから、以前は「遺言無能力」すなわち「遺言内容を理解できるだけの判断力がない」という主張をしても訴訟で認められませんでした。
けれども最近、重度の認知症だったケース等で、遺言能力がないとして公正証書遺言の無効を認めた裁判例が出てきました。

例えば①東京高裁平成22年7月15日判決、②大阪高裁平成19年4月26日判決、③東京高裁平成25年8月28日判決など10件近い裁判例があります。

亡山田太郎作成の公正証書遺言が遺言無能力だとして無効確認の訴訟をする場合、訴状の請求の趣旨には、以下のとおり記載します。
  1. ○○法務局所属公証人××作成に係る平成○年第○○号遺言公正証書による亡山田太郎作成の遺言は無効であることを確認する。
  2. 訴訟費用は被告の負担とする

弁護士法人リーガル東京では、公正証書遺言が遺言無能力として無効を認めさせた裁判例を取得しております。⇒ 相続紛争解決事例№12
反対に遺言者が重度の認知症だとして公正証書遺言の遺言能力が争われたが、遺言能力があると認めさせた裁判例も取得しております。⇒ 相続紛争解決事例№14

  • 公正証書遺言を作成した当時、遺言能力がないという主張をして争いたいという方
  • 公正証書遺言を作成した当時、遺言能力がなかったと、他の相続人に訴えられた方
 
弁護士法人リーガル東京03-3569-0321に、お気軽にご相談ください。経験豊富な弁護士が適切なアドバイスをいたします。
初回1時間無料にて、ご相談に応じます。


公正証書遺言の作成に当たっては、「口授(くじゅ)」が必要です。
「口授」とは、遺言の内容を口頭で申し述べることです。
遺言者が、うなずいたり、「はい」と返事しただけでは口授とはいえないとされています。
適法な口授がなかったとして公正証書遺言の無効を認めた高裁判例もありますし、弁護士法人リーガル東京でも口授がなかったとして公正証書遺言の無効を主張し、訴訟しております。

  • 公正証書遺言作成当時、病気で口授ができなかったはずだとして、無効を主張したい方
 
弁護士法人リーガル東京03-3569-0321に、お気軽にご相談ください。経験豊富な弁護士が適切なアドバイスをいたします。
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遺言書が無効になる場合


(1)自筆証書遺言の場合

自筆証書遺言は,すべて自筆で作成し,日付,名前,遺言文言等法律上決まった形式を守らなければ無効となってしまいます。


また,形式を守っていたとしても,遺言の内容が不明確である場合には,その不明確な部分が無効になる場合があります。遺言全体の内容が不明確である場合には,遺言全体が無効になります。


よくあるケースとして,遺言書に「○○市の土地」とか,「●●銀行の預金」と書いてあるだけで,複数ある相続財産のうち,どの財産のことを指しているのかわからないということがあります。このような記載では財産が特定できない場合,その部分の遺言は無効になってしまうおそれがあります。


自筆証書遺言を作成する時は,弁護士に一度遺言の内容や形式のチェックを受けておいた方が,あとで無効になるリスクは相当低くなりますので,弁護士への相談をおすすめします。


ちなみに,不動産を遺言書によって相続させたい場合には,あとで相続人が登記を行うときに困らないように,不動産の登記簿謄本に記載してある内容とおりに不動産の所在地や地番,用途,面積等を記載しましょう。その遺言書によって相続登記ができるかどうかも,弁護士にチェックしてもらうことができます。



(2)公正証書遺言の場合

公正証書遺言とは,公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことです。公正証書遺言を作っておけば,形式の不備や遺言内容が不明確であるゆえに無効となることはほぼありませんので,自筆証書遺言を作成するよりはあとで無効となるリスクを相当低減することができます。


しかしながら,公正証書遺言が無効になることも皆無ではありません。例えば,公正証書遺言を作成時に,被相続人が重度の認知症となっており,被相続人に遺言を作成する能力がなかったというケースです。遺言能力がないのに作成された公正証書遺言は無効ですが,公正証書遺言を無効とするためには裁判手続で,被相続人に遺言能力がなかったことを証明する必要があります。このような裁判手続きは非常に複雑かつ難易度が高いものとなりますので,弁護士への依頼は必須です。


このようなケースの場合には,まず,関連資料を集めたうえで,弁護士に相談してみましょう。勝訴の見込みや裁判にかかる時間や弁護士費用等にお答えいたします。

 

 

相続に関するご相談はこちらをご覧ください。

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